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zoom RSS 衆院再可決、そして退陣も―安倍首相の孤独な賭けで思うこと

<<   作成日時 : 2007/09/11 15:55   >>

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同じことを思い出す人は存外多いものだと思った。
安倍首相がインド洋での海上自衛隊の補給活動延長に「職を賭す」と語った9日の記者会見に接して、首相が尊敬してやまない祖父の岸元首相が昭和35年6月、安保改定を強行成立させた後で総辞職した故事を引き合いに出して、安倍首相の今の心境を忖度してみせた人たちのことである。
昨夜、私もそのことがふと頭をよぎった。
当時、私は20歳。全学連の「安保反対、岸を倒せ」のデモは連日エスカレートし、反代々木系の学生たちが国会に突入した6月15日には東大の女子学生樺美智子さんが乱闘の犠牲となって死亡。大学は休講となり、樺さんの死を悼む「お焼香デモ」は教授たちも参加して連日繰り広げられ、騒然とした状況下で安保改定が自然成立した。役割を果たした岸内閣は総辞職し、「所得倍増計画」を掲げた池田内閣が後を引き継いで、戦後日本の基本レールが定まったのだった。
今の日本の社会はそれほどシリアスではないが、参院選で与野党が逆転し、政府与党の提出法案成立が極めて難しい状況にあることを考えれば、政治環境は当時よりもはるかに厳しいと思う。岸内閣と与党は、野党の社会、共産両党が総評や全学連のデモで院外行動をいくら強めても、国会では数の面で強行採決ができる状況にあった。
安倍首相は今回、続投を宣言して内閣改造を行い、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の期間中、米豪首脳と会談して海上自衛隊の補給活動継続に理解を示した。そして、活動継続へ向けて「職を賭す」と語り、それが出来なければ「職責にしがみつくことはない」とも述べた。
政界はこの発言を巡って憶測しきりだが、日米関係を国益第一に据えて安保改定を勇断した岸元首相の故事に照らせば、現行法に代わる新法を提案して民主党に歩み寄りを求め、それでも参院で否決された場合は、与党が3分の2以上を占める衆院で再可決するという非常手段に訴えても成立させたあと、国会混乱の責任を取って総辞職するという図式が浮かんでくる。与謝野官房長官は「再可決は憲法の規定だ」と述べ、これを否定しなかった。
安倍改造内閣は「政治とカネ」スキャンダルにまみれて浮上の気配がない。そんな中にあって、テロ対策特措法延長は臨時国会最大の政治課題である。外交問題での国論二分ほど国益を損なうことはないと思うが、小沢民主党は真っ向から反対し、今のところ出口が見えない。次の衆院選に「政権交代」を懸けている民主党が歩み寄るとはとても思えない状況にあるだけに、安倍首相の孤独な決断のほどが察しられる。(了)

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